膝関節・機能評価 / 現場で使うガイド
膝関節の機能評価|立ち上がり・歩行・階段から訓練を選ぶ方法
膝関節の評価では「膝が何度曲がるか」だけでなく、座る・立つ・歩く・階段を昇降するという実際の活動を、安全に同じ条件で確認することが重要です。
まず問診と安全確認
急激な腫脹・熱感、外傷後の荷重困難、発熱、神経症状、深部静脈血栓症が疑われる所見などがあれば、医療機関での評価を優先します。慢性症状でも診断、手術歴、医師の運動制限を確認します。
膝の評価で最低限そろえる4要素
- 痛み:NRSなどで安静・歩行・立ち上がり時を区別する。
- 可動域:膝伸展と屈曲を自動・他動で測定し、左右差・疼痛を併記する。
- 筋機能:大腿四頭筋などの筋出力をMMTや必要時の定量測定で把握する。
- 動作:椅子からの立ち上がり、歩行、階段で速度・荷重・代償・不安感を確認する。
30秒椅子立ち上がりテストを行うには?
- 動かない安定した椅子を壁際に設置し、座面高(例:約43cm)を記録する。
- 可能であれば腕を胸の前で組み、足底を接地した姿勢から開始する。
- 「立ち上がって完全に座る」を30秒間繰り返し、立位まで到達した回数を記録する。
- 痛み・ふらつき・手すり使用・椅子の高さなど条件を併記する。
転倒リスクのある方には安全確保と中止基準を設けます。CDCの標準法では腕を使用して立つ必要がある場合、テストを中止し回数を0と記録します。手を使う条件に変更した場合は標準法と区別します。回数の比較だけで疾患を診断できるわけではありません。
階段と歩行のどこを見る?
| 課題 | 観察ポイント |
|---|---|
| 平地歩行 | 歩行速度、荷重時間、膝伸展、歩幅、疼痛 |
| 立ち上がり | 座面高、前傾、足部位置、手の使用、左右荷重 |
| 階段昇降 | 段差高、手すり、昇り・降りの左右差、荷重時痛 |
| 片脚支持 | 保持時間、骨盤・体幹・膝の位置、バランス |
評価結果から運動を考える
膝伸展が不足:疼痛・腫脹への対応を確認し、耐えられる範囲で伸展方向の運動を検討。立ち上がりが困難:高めの座面から開始し、反復回数や支持条件を段階的に調整。歩行時に不安定:支持物を使ったバランス練習や下肢筋力練習を検討。階段下降が困難:段差高を低くしたステップ練習で痛みと荷重制御を確認します。
再評価の例
初回と2〜4週後で、NRS・立ち上がり回数・歩行速度・膝伸展角度・生活上の困りごとを同条件で比較します。間隔は症状と計画に応じて調整します。
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