肩関節・結帯動作 / 現場で使うガイド

肩関節の結帯動作をどう評価する?|肩甲骨・胸郭・可動域の見方

結帯動作は「肩関節の内旋だけ」で決まる動きではありません。肩甲上腕関節の運動、肩甲骨の動き、肘や手関節、体幹・胸郭の動きが組み合わさります。

公開・最終更新:2026-10-19 / 運営:ライフリハビリサポート

結帯動作を観察するときの基本

背中へ手を回して到達点を確認する動作では、肩の伸展・内転・内旋を中心に複数の関節が関与します。代償を含む到達距離だけで肩関節内旋可動域を断定することはできません。

  1. 開始姿勢:立位または座位とし、足底・体幹の支持条件を統一。
  2. 指標:母指先が体幹のどの高さに届くか、左右差を確認。
  3. 代償:体幹前屈・側屈・回旋、肩甲帯挙上、手関節の無理な屈曲を観察。
  4. 疼痛:どの時点で痛みが出るか、痛みの場所と強さを記録。

指椎間距離・到達高位の記録で注意すること

母指先の到達椎体高位、C7からの距離など、施設で採用する方法を明記してください。「第何胸椎まで届いたか」だけでは上肢の長さや体格、肩甲骨・肘の関与を十分に補正できません。測定姿勢と手の向きも記録することが重要です。

記録例(模擬)

立位・右手で結帯:母指先は腰椎部まで到達。到達前に体幹左回旋と右肩甲帯挙上を認め、肩後面に痛みNRS 3/10。左手は下位胸椎付近。測定姿勢を統一して再評価。

関節ごとの追加評価

確認部位評価例
肩甲上腕関節伸展・内旋・内転方向の可動性、痛み、他動運動
肩甲帯肩甲骨の位置・運動、上肢運動時の代償
胸郭・体幹胸椎の伸展・回旋、側屈による到達距離の補い
肘・手関節肘屈曲と前腕・手関節の位置が到達に影響していないか

評価から介入へつなげる例

  1. 疼痛が優位なら負荷量と日常生活動作を調整し、無理な最終域への反復を避ける。
  2. 他動運動にも制限があるなら、関連可動域と組織刺激性を踏まえた段階的運動を検討。
  3. 体幹代償が著しいなら、支持条件と胸郭運動を変えて到達の変化を確認。
  4. 再評価では「到達点」だけでなく、痛み・代償・更衣動作のしやすさを比較する。

どの筋が短縮しているか、どの関節が主因かは、結帯動作の見た目だけから特定できません。追加評価が必要です。

参考資料・確認先

出典の適用対象・更新日・詳細条件は、リンク先の原文を確認してください。

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情報提供用の記事です。医療上の診断・個別の治療判断は、資格と責任を持つ専門職が行ってください。臨床実施時は所属施設の規定・指示・最新の公的指針を優先します。